Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
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「お母様……なんで」
みのりが呆然と呟く。
振り向いた先に立っていたのは、
みのりの母親にして梅八家の現当主、梅宮美都子だった。
「何をしているのですか、あなたたちは!」
激しい剣幕の美都子に涼介も負けずに答える。
「あなたには関係のないことです!」
だが、美都子の視線は自分にではなく兄へ向かっていた。
「市長、あなたまで……あなたは止める側の人間ではありませんか!」
拳を握り締めて叱責する美都子へ、雅秋が唇を噛み締める。
「今は見守ると……、何が起こるのかを見てから
どうするべきか見定めることにしようと決めたまでです」
兄からしてもここへ美都子がやって来ることは予想外だったのだろう。
歯切れの悪い雅秋を前に、美都子の目が細められる。
「見定める? そんな必要はありません。いますぐその盃をしまいなさい!」
「嫌です!」
美都子の命令に従うつもりはない。
涼介は改めて美都子の言葉を拒絶した。
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