Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
E
「私自身の答えとしては、はい、です。
私は黄金梅を実らせ、すべてを願いの結果にゆだねることにしました」
自分が願わなくても『黄金梅』という存在が不必要ならなくなる
はずだ。みのりは言外に匂わせ説明した。
だが美都子に伝わらなかったみたいだ。
眉間に皺を寄せ、睨み据えてくる。
「どういうことですか?」
「『みんなが幸せになるように』という願いを唱えれば、
おのずと答えが出ると思ったんです」
怯みそうになる心を必死に食い止めながら言い切ると、
涼介が隣で身じろいだ。
「みのりさん……」
囁くように名を呼ばれ、みのりは涼介の顔を見た。
一人じゃない。自分がここにいるから。
まっすぐ見つめてくる涼介の瞳がそう語っているようで、みのりは
自然と頬を緩める。
(ありがとう涼介)
心の中で感謝の言葉を紡ぐとそれが伝わったのか。
涼介が口角をあげ頷く。
(大丈夫。涼介が、ううん、みんながいるんだもの。
お母様と向き合えるわ)
みのりは再び、美都子へと視線を戻した。
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