Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
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「美都子様! それは!」
涼介が不服そうに声を張った。その声を皮切りに、野木崎たちが
それぞれの感想を口にする。
「みのり様から言質をとろうってことね。さすがだわ」
みのりは、自分と同じような感想を抱く野木崎に内心で
苦笑していると、小越が口を尖らせる。
「ちょっとずるくないですか?」
「うーむ……」
ついこの間まで母と同じ考えを持っていたからだろうか。
山波がなんとも言えない表情で唸った。
「一族の長マロ、当然マロ」
「なんだか大変そう……」
「うん」
胸を張る雪姫に、芽衣子が眉を下げた。
それに飛田が同意しながらも自分の意見を口にする。
「でもみのり様なら大丈夫じゃないかなあ」
「そうですね。
これくらいしっかりした方でなければ当主は務まりません」
梅田のみが淡々と飛田の発言に頷いた。さも当たり前のように
言い放たれた彼女の言葉に野木崎が頬へ手を当てる。
「上に立つ人って大変なのねー」
「そんなのって……」
小越が悔しそうに唇を噛み、うな垂れた。
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