Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


六


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「そうはさせない！」


　叫んだのは高松だった。

不審に思って振り返ると、

高松が今まさにみのりのところへ突っ込んでくるところだった。


「な、何っ！」

「高松？！」


　みのりが戸惑いながらも身構えるのと、

雅秋が驚いたように高松の名を呼んだのはほぼ同時だった。

高松は手を突きだしみのりの腕を掴もうとする。


「それの汁は俺がもらう！」

「きゃぁっ」

「みのりさん！」


　みのりの叫びを聞くやいなや、涼介は無意識に高松とみのりの間へ入った。

節くれ立った細い手を思い切り払う。


「みのり」


　美都子が心配げにみのりを呼んだ。


「お嬢さま」


　紅がみのりを守るために走り寄ろうとする。

だが、すんでのところで碧にとめられた。紅は黙って義兄に従う。


（加勢に来てくれてもよかったんだけどなあ）


　内心でぼやいていると、

野望を阻止された高松が燃えるような瞳で見据えてきた。


「邪魔をする気か！」

「当たり前だ！」


　こいつは信用できない。

みのりの身が危険だ。

涼介は即座に高松の足を払った。