Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
AIC
そのまま高松を腕で押さえつけると、高松苦しげに呻く。
「ぐっ!」
諦めたのだろうか。
若干力を抜く高松をさらに押さえつけていると、太一が感嘆の声をあげた。
「お兄ちゃんすごい」
本気で感心されているらしい。
(こんな物騒なことで尊敬されてもなあ)
胸の内でひとりごちていると、背後で雪姫が声をあげる。
「ほぅー、上手いことやるもんだマロ」
「さようでございますね」
微笑ましげに語り合う雪姫とのみは、この事態を楽しんでいるかのようだ。
どうやら完全にこちら側についてくれているというわけでもないのだろう。
(試されてるとか、そんなのか?)
すべては予定調和だった、
とかいうオチだったらさすがに暴れたくなる。
高松を押えたままこっそり落ち込んでいると、
碧がさらに追い打ちをかけてきた。
「ほぅ。やはり僕の目に狂いはなかったようですね」
碧の満足げな声が耳に入る。
「チッ」
同時に、わざとらしいほど大きな舌打ちも聞こえてきた。
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