Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
BIA
高松の掛け声とともに周囲から人影が近づいてきた。
「お前たちは!」
「ったく、待ちくたびれたぜ」
「人使いが荒い人間だよ。なあ、高松」
声を荒げる涼介とは裏腹に、乱入者たちは呑気な様子だ。
しかし、その瞳は鋭く。こちらが少しでも動けばすぐさま対応すると
いったような雰囲気を持っていた。
みのりはごくりと唾を飲み込む。
(この人たちって……)
前方に立つ巨体の男と青いTシャツを着た男、そして白いシャツの
男に見覚えがあった。
(たしか野木崎さんを助けたときに邪魔をしてきた
獣人たちじゃない?)
みのりは確認を取ろうと野木崎たちの方へ視線を向ける。
あちらからもスーツ姿の男と飛田に良く似た風貌の男が近づいてくるのが
見えた。
(挟み込むなんて……これじゃ簡単には逃げられないわね……)
状況を把握しようと目線だけを動かし辺りを窺っていると、
おもむろに美都子が前へ立った。
「あなたたち誰の許可を得てきたのですか」
「お母様……」
美都子が鋭い眼差しを向け、乱入者を見据える。
感情の揺れなど一切見せない。その姿がとても大きく感じた。
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