Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IIIIG




「うまくいったの?」


 みのりの問いに碧がミラー越しに頷く。


「どうやらそのようですね」


 慎重に背後を確認しつつ告げる碧に、涼介は感嘆した。


「ありがとうございます。さすが碧さんですね!」


 ドライブテクニックといい、咄嗟の機転といい、素晴らしいという他ない。


(本当にかっこいいよなあ)


 紅と一緒になると少々情けなくなってしまう部分も見え隠れするが。

それほど好きなのだろうと思うと却って感心してしまう。


(碧さんみたいな人間になれるといいのにな)


 自分の想いを隠すことなくみのりに伝え、

彼女を守ることができたらどんなにいいだろう。


(ちゃんと、しなくちゃ)


 すべてが終わったら、この想いを余すことなく彼女に伝えよう。

ちらりとみのりへ視線を向けた時、斜め前から声がした。


「死ぬかと思いました……」


 伸びきった角もそのままに脱力しきった態でシートへ

寄りかかる飛田を、碧が笑う。


「ふふふ。大げさですよ飛田さん」

「鹿さん、角、閉まって、問題ない」


 紅から指摘され、飛田が角に触れた。


「あ、はい……。すみません」


 謝りつつ呼吸を整えている飛田に、涼介は苦笑する。

怖い思いをさせてしまったことを謝ろうと口を開きかけた時、

みのりが声をあげた。










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