Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
BIF
「邪魔、許さない」
紅の発言に猪が茶色い毛を振り乱す。
「許さないのは俺だ! 行くぞ! 一発でのしてやる!」
大地を蹴る猪の男の横で、白い服を着た狸も居丈高に告げた。
「おら! どけ! ひょろい男!」
不遜すぎるその態度に碧の肩眉があがるのが見える。
「口も悪ければ目も悪いようですね」
言葉尻は丁寧だが、かなり怒っているらしいことだけはよく理解できた。
(碧さんを怒らせるなんて。バカな奴らだな)
このままでは獣人たちの命の保証がないのではないだろうか。
(勢い余って殺しちゃわないといいんだが)
紅に対する暴言を許す人ではない。
どうしたものか、と思案していると、
青いシャツを着た狸の獣人が銃を構えた。
「そいつは任せた! 俺はこれで梅宮の連中を仕留めてやる!」
銃口をみのりへと向ける。
「口だけ、怖くない」
さりげなくみのりの側へ寄りながら、紅が青いシャツの狸を挑発した。
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