Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





BIH




「俺は! 俺は自由になるんだ!」


 両の手に力を入れ全身で戒めから解き放たれようとする高松に、

涼介も全体重をかけて阻止を試みる。


「させるか!」


 小さく叫び、高松をさらにきつく押さえつける。その時だった。

 辺りに乾いた破裂音がして、涼介は動きをとめた。



 銃声だ、と認識したのと同時に、みのりの叫び声が聞こえてくる。


「みのり!」

「みのりさん!」

 美都子と異口同音で彼女の名を呼ぶ。

すると、後ろ側から若い女性の声がした。


「きゃあ! みのり様たちが!」


 咄嗟に叫んだ人物を目視すると、芽衣子が飛田にしがみつくのが見える。


(そうか。今の声は芽衣子さんか)


 こちらの様子を見て仰天したのだろう。

無理もない。

自分はつい先日襲われたから慣れっこだが、芽衣子や飛田は違う。


(あの時は山波さん送ってすぐ帰ってたからなあ)


 さぞ驚いたことだろう。

 その証拠に飛田の角がとんでもなく成長しているのが目に入った。

だが、芽衣子は婚約者の顔に違うものを見つけたらしい。


「飛田君! ……飛田君?」


 食い入るように横を見つめる飛田に気づいたのだろう。

怪訝そうな声を発する芽衣子の声が耳に届き、

涼介も後ろの様子を確認するため首を伸ばした。










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