Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CI@




 雪姫の弾んだ声に、みのりはこめかみがピクリと動く。

じろりとそちらへ顔を向けると、雪姫は梅田のみと微笑み

合っていた。


(いくら他の人には見えないからって、その態度はどうなのよ!)

「雪姫様、危のうございますから少し離れておりましょう」


 こちらの心の声が聞こえたのだろうか。

梅田のみが雪姫を隠すように後ろへ移動した。


(離れればいいっていうものじゃないけどね!)


 みのりは内心で悪態をつきつつ、でも、と思い直す。


(もしかしたらこの状況に終止符を打つことも試練の一つ

かもしれないわ)


 さすが最後の難関だけはある。

みのりが思考を巡らせていると、小越の掠れた声が聞こえてくる。


「よ、横澤先生……?」

(横澤先生ですって?)


 小越の言葉に、みのりは目を丸くした。

山波や野木崎たちの陰で見えなかったようだ。

隙間から覗くように視線を送ると、彼女たちの前に学園で授業を

受けていた教師が立っていた。


「どうしてここに?」

「え? 先生? この人先生なの麻里さん」


 野木崎が小越の言葉に反応した。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む