Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「それでここはどこなの? もう涼介の家は近いの?」


 問いかけてくるみのりに、涼介は目を瞬かせる。

辺りを確認すると、見慣れた風景が広がっていた。


「逃げ回ってただけだと思ってたのにもう自宅に着いちゃうや」


郵便局の先にある黒塀を目視しつつ呟くと、

みのりが目を見開く。


「え? もう涼介の家が近いの?」


 みのりの問いに、涼介は首肯した。


「もうすぐそこだよ。

ほら、あの黒い屋根の平屋だよ。黒塀さんの裏側の家」


 以前顔合わせをした料亭、

黒塀の手前にある黒い瓦屋根を指し示す。


「本当だわ。よかった」


 ほっとしたようにシートへ身体を沈めるみのりを見て、

涼介はああ、と同意した。


「でも、ここからが本番だよ」


 これから何が起こるのか、自分でも皆目見当がつかない。

無事に善郎を説得することができるのだろうか。


(いや、そんなこと言ってる場合じゃない。

なんとかしなくちゃならないんだ)


 涼介は深く呼吸を整え、前方の我が家を見つめた。










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