Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
EIB
「……話の通じる……奴……」
横澤が呟く。
すると、野木崎が彼に厳しい言葉を投げかけた。
「人間の味方をするっていうけど、
あなたたちだって人間の高松さんの言いなりになってるじゃない!」
野木崎の一言で横澤の瞳が再び怒りに燃えた。
「いいなりじゃない! 認め合っているだけだ! 話が…通じたから……」
「それって結局、満君と同じじゃない」
呆れ半分で告げる野木崎に、横澤が吼える。
「全然違う! 違う、はずだ……!」
頭を抱えて呻く横澤を見ていた太一が首をかしげる。
「うーん。ねえ、おじちゃん、
それじゃここにいる人みんなも人間の味方ってことになるの?」
鋭い質問に、山波はうろたえることもなく、丁寧に思案げな声で答えた。
「そうだなあ。
あの失礼千万な奴でも男が惚れる男だったってことだからなあ……」
そうか。
ということは、この自分が押さえつけているこの男にも、
何か深い意図があるのかもしれない。
(かといって、みのりさんを傷つけるような人間を許すわけにもいかないけど)
思いだすだけで怒りがこみ上げ、涼介は押さえつける手を強くした。
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