Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
六
EIC
「よ、横澤さん……」
懊悩している横澤を前に正志(ただし)がオロオロと彼の名を呼ぶ。
そんな中、太一が山波を再び振り仰いだ。
「男が男に惚れるって何? オカマさんってこと?」
太一の言葉に山波がかぶりを振る。
「そういう奴もいるが、
それはそういうことじゃなくてな。信頼してるってことだな」
「そういうことか! ぼくがお兄ちゃんを師匠にしたのとおんなじだね」
満面の笑みで答える太一の言葉に、涼介は心底驚いた。
「え?!」
そんな話は初耳だ。
(おいおい。師匠とかなんて冗談じゃないぞ!)
自分はそんな器ではないし、
太一にはもっとちゃんとしたまともな大人になって欲しい。
だが、山波は太一の一言を否定することもなく、首を縦に振る。
「そういうことだ」
そこは全力で否定して欲しかった。
重々しく頷いて見せる山波を目にして、涼介は内心で頭を抱えた。
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