Gold Plum

第六章


対峙


〜みのり＆涼介の場合〜


六


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「うん。おじちゃんかっこよかったんだよ」


　太一の褒め言葉に、山波が頓狂な声をあげる。


「な、何。ちょっと宗旨替えしただけだ……」


　言っている内に恥ずかしくなったのだろう。山波の声は

先細くなっていった。


「へえ。お父さんやるじゃない！」


　感心する芽衣子の反応に山波が吠える。


「ふん。

だからと言ってお前たちのことはまだ認めたわけじゃないからな」

「素直じゃないんだから」


　山波の態度に慣れているのか、芽衣子はやれやれと言った感じで

聞き流していた。

言いたいことを普通に言い合いつつも、相手をきちんと尊重する。

そんな関係性が山波たちにはある。


（私とお母様もいつかあんな風に話せるかしら）


　みのりは、美都子へ視線を向けた。

母もまた山波たちを眺めている。その表情はどこか驚いているように

見えた。

　少し前の自分だったらこんな穏やかな気持ちで母の顔を

見ることなどできなかった。

それどころか美都子の心の機微を察することすらなかった。


（私とお母様はこれからよね）


　みのりが自分の心の変化に内心で驚きつつも喜んでいると、

野木崎の愉しげな声が聞こえてきた。