Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





EIG




「まだってことは、いつかは認めるってことよね。

飛田さん頑張りなさい」

「はい! ありがとうございます!」

「ふん!」


 揚げ足を取る野木崎の言葉に飛田が、伸ばした鹿角をそのままに

頭を下げる。

ブンッと風を切る音と、山波の鼻を鳴らす音が重なった。


(山波さんたらいつの間にか飛田さんを認めていたのね)


 みのりはくすりと小さく肩を竦めた。


「だ、だまされるな、横澤!

そいつはお前をだまそうとしてるだけだ!」


 涼介が悪あがきをする高松を押さえ込む。


「この後に及んで何を!」

「高松さん……。長は、長は……」


 横澤が頭を抱え、苦しそうに悶え始めた。


「くそお! どいつもこいつも!」

「しまった!」


 高松が渾身の力で立ち上がり、押さえつけていた涼介の

拘束から抜け出した。


「死ね! 梅宮みのり!!」

「みのりさん!!!」


 涼介の叫び声に、みのりは目を瞠る。


「!」

「みのり!」

「お嬢さま!」


 美都子と紅の声が響く中、みのりは刃物をもって突っ込んでくる

高松の姿を凝視した。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む