Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





EIH




「黄金梅は絶対になくさせてもらう!」


 走りながら叫ぶ高松を涼介は追いかける。


「させるか!」

「お母様!」


 美都子を押しのけ前へ出ようとするみのりに涼介は焦った。


「みのりさん!」


 体勢を立て直して走り寄るが、

高松の鋭い刃は互いに引かない親子に迫っていた。


「兄さん!」


 絶望を振り払おうと力の限り長兄を呼ぶ。

すると、負けないくらい焦りの滲んだ声音が返ってきた。


「わかってる!」


 言うが早いか雅秋が美都子の肩を掴もうとする。

だが美都子に振り払われてしまった。


「美都子様!」


 非難の声をあげる雅秋と重なるように紅が珍しく大声をだした。


「させない!」


 紅がみのりのところへ向かい駆けだす。

だが、彼女は自分のいる位置よりも遠い。


(間に合わない!)


 それでも何くそと腕を伸ばすと、太一の悲痛な声が聞こえた。


「お兄ちゃん!」

「坊主、動くな! 美都子様! みのり様!」


 駆け出さんばかりだったのだろうか。

即座に山波が太一に制止を促した。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む