Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





@




「関係ないわけあるか! 

雪姫の生まれ変わりと言われているこの娘がいなくなれば、

すべて上手くいくんだ!」


 高松が両手に力を込める。

だが、美都子が微動だにする様子は見られなかった。


(美都子様……)


 本当は無理やりにでも引きはがして助けたい。

だが、それではみのりに危険が及ぶ。


(大丈夫。大丈夫だ)


 みのりに言い聞かせた言葉を念じていると、

美都子が断固とした口調で言い放った。


「みのりは、私の娘は雪姫様の生まれ変わりではありません!」

「お母様」


 みのりの声に歓喜色が入り交じる。


(そうか。わかってたのか)


 みのりの苦悩を美都子はきちんと把握していたのだ。


(本当に。うちの両親とは大違いだなあ)


 いや、もしかしたら自分の親も美都子と同じように、

こちらの葛藤を理解してくれているのかもしれない。


(まあ、そうじゃないほうが強いけど……)


 ふと吐息を漏らしていると、高松がさらに吼えた。


「そうとは言い切れないだろう! 何しろこの娘の瞳は碧色のはず。

コンタクトを入れていても事実は変わらない」


 何を言っているんだこいつは。高松の言い分に、

涼介は思い切り眉を顰めた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む