Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
@
「関係ないわけあるか!
雪姫の生まれ変わりと言われているこの娘がいなくなれば、
すべて上手くいくんだ!」
高松が両手に力を込める。
だが、美都子が微動だにする様子は見られなかった。
(美都子様……)
本当は無理やりにでも引きはがして助けたい。
だが、それではみのりに危険が及ぶ。
(大丈夫。大丈夫だ)
みのりに言い聞かせた言葉を念じていると、
美都子が断固とした口調で言い放った。
「みのりは、私の娘は雪姫様の生まれ変わりではありません!」
「お母様」
みのりの声に歓喜色が入り交じる。
(そうか。わかってたのか)
みのりの苦悩を美都子はきちんと把握していたのだ。
(本当に。うちの両親とは大違いだなあ)
いや、もしかしたら自分の親も美都子と同じように、
こちらの葛藤を理解してくれているのかもしれない。
(まあ、そうじゃないほうが強いけど……)
ふと吐息を漏らしていると、高松がさらに吼えた。
「そうとは言い切れないだろう! 何しろこの娘の瞳は碧色のはず。
コンタクトを入れていても事実は変わらない」
何を言っているんだこいつは。高松の言い分に、
涼介は思い切り眉を顰めた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|