Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「それはいいとして麻里さん、ケーキ何にする？」


　律子はケーキをテーブルへ置き、箱を開ける。

中には種類の違う５つのケーキが箱の中で動かないように綺麗に

入っていた。


「ええっと。それじゃあ、その丸いレアチーズケーキを」


　ラズベリーだろうか。赤いジャムがかかっているケーキを皿に乗せ、

麻里へ渡す。だが視線は目移りするほど美味しそうなケーキたちから

離れることはなかった。


「私はどれにしようかなー。モンブラン、チョコレート、チーズケーキ……

んーん、やっぱりこの果物たくさんのタルトにしようっと」


　嬉々としながら皿に、タルトを乗せる。色とりどりの散りばめられている

果物は、宝石のようだ。律子がうっとりとタルトを眺めながら、麻里のお礼が

聞こえてきた。


「ありがとうございます」


　ケーキに夢中になりすぎて来客中だったことを一瞬忘れていた。

律子は平然を装いながら、麻里へ微笑みを向ける。


「いいのよ。麻里さんが買ってきてくれたものだしね。

……それで、話したいことって何かしら？」


　どこか思いつめた様子の彼女に、律子はこれから何が語られるのかを

静かに待った。