Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
AIB
こちらの尻込みに気づいたのだろうか。涼介が手を掴んでくる。
「俺も美都子様や雪姫様とは違う、君の舞を観てみたいよ」
熱のこもった眼差しに見つめられ、さっきまで弱気になっていた
気持ちが一瞬で消え去る。
「涼介……。わかったわ」
みのりは涼介の言葉に勇気づけられ、舞うことを決心した。
そして梅田のみの肩にいる雪姫に向かって頭を下げる。
「雪姫、私も一緒に舞います。だからもう一度お願いします」
「お願いします」
こちらに続くように涼介も頭を下げた。
「わかったマロ! のみ!」
「かしこまりました。それでは皆様、お集まりください。
みのり様は中央へ」
梅田のみの掛け声とともに頭をあげると、涼介の声が聞こえて
くる。
「ありがとうございます!」
「わかりました。涼介、これ持っててくれる?」
みのりは盃を涼介へ向けた。
緊張で急激に冷たくなった手が震えているのが分かる。
「わかった」
涼介が優しく微笑みながら盃を受け取った。
その笑みに力が湧いてくる。
みのりはコクンと頷き、雪姫のいる中央へ足を進めた。
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