Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
AIF
「ありがとう、涼介。……どうだった?」
ためらいがちに問われ、涼介は真面目に答える。
「きれいだったよ。いつも以上にね」
「あ、ありがとう」
照れながらもまっすぐ見つめてくるみのりの視線を受け止める。
なんて綺麗な瞳だろう。
手を握ろうと腕を伸ばす。
だが、それはすんのところで太一の声に遮られた。
「ねえねえ、みのり様、ぼくも一緒に願ったんだよ」
太一がぴょんぴょんと跳ねながらみのりの前に立つ。
「あ、おい、こら、坊主! ったく」
背後にいた山波が苦虫をかみつぶしたような顔で追いかけてきた。
行き場のなくなった手がむなしい。
あと少しで手が握れたのに。
(太一君にはかなわないなあ)
涼介は内心で苦笑した。
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