Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
AIG
満面の笑みで割り込んできた太一に、みのりは目を丸くした。
(やだ、私ったら。みんながいるのに……)
本音を言えばもう少し涼介と話していたかったところもある。
だがそれは今ではない。みのりは太一と目線を合わせた。
「え、ええ。聞こえていたわ。
ありがとう太一君。一緒に願ってくれて、とっても心強かったわ。
皆さんもありがとうございました」
「水臭いですよ、みのり様」
野木崎がスナップを利かせながら手首を上下させる。
その隣で小越が鼻息を荒く頷いた。
「そうですよ、梅宮さん。これしきのこと、なんでもないです」
小越に賛同する形で野木崎も小刻みに首肯を繰り返している。
そうよね、と顔を向け合う野木崎たちの姿にほっこりしていると、
おもむろに梅田のみが口を開く。
「では、皆様。盃を前へお出しください」
「はい」
みのりが盃を前へ出すと、同じように涼介たちも盃を前に出した。
前回はどこか不安げだったみんなの表情が、今回はとても
生き生きしている。
(今度こそ絶対成功するわ)
みのりはそう確信した。
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