Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





AIG




 満面の笑みで割り込んできた太一に、みのりは目を丸くした。


(やだ、私ったら。みんながいるのに……)


 本音を言えばもう少し涼介と話していたかったところもある。

だがそれは今ではない。みのりは太一と目線を合わせた。


「え、ええ。聞こえていたわ。

ありがとう太一君。一緒に願ってくれて、とっても心強かったわ。

皆さんもありがとうございました」

「水臭いですよ、みのり様」


 野木崎がスナップを利かせながら手首を上下させる。

その隣で小越が鼻息を荒く頷いた。


「そうですよ、梅宮さん。これしきのこと、なんでもないです」


 小越に賛同する形で野木崎も小刻みに首肯を繰り返している。

そうよね、と顔を向け合う野木崎たちの姿にほっこりしていると、

おもむろに梅田のみが口を開く。


「では、皆様。盃を前へお出しください」

「はい」


 みのりが盃を前へ出すと、同じように涼介たちも盃を前に出した。

 前回はどこか不安げだったみんなの表情が、今回はとても

生き生きしている。


(今度こそ絶対成功するわ)


 みのりはそう確信した。










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