Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





AIH




 全員の盃に果汁を注ぐと、梅田のみがまっすぐにこちらを見てくる。


「それでは、願いを1つにしたのち、その果汁を飲み干してください」

「承知しました」


 涼介の言葉に、梅田のみが輪から外れた。

甘い香りが鼻孔をくすぐり、みのりは盃の中で揺れる果汁を見つめる。


(色んなことがあったわね)


 種を持って家を出た時は、こんな未来を迎えるなんて予想しても

いなかった。

たった数日の間の出来事だが、この数日で体験したことは

この先の自分にとってとても大切な糧となるだろう。

 みのりは頭をあげ、みんなの顔をゆっくりと見回した。


「皆さんのおかげでここまでくることができました。

本当にありがとうございます」


 みのりがみんなへ向かって会釈すると、涼介が身体をこちらへ

向ける。


「お礼を言うのはこっちのほうだよ。みのりさん、本当にありがとう」

「もったいないお言葉です。

わたくしこそ、みのり様に助けていただきました」

「私もです」


 恐縮する山波のあとに小越が続く。

みのりは小越へ視線をやった。










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