Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
AIH
全員の盃に果汁を注ぐと、梅田のみがまっすぐにこちらを見てくる。
「それでは、願いを1つにしたのち、その果汁を飲み干してください」
「承知しました」
涼介の言葉に、梅田のみが輪から外れた。
甘い香りが鼻孔をくすぐり、みのりは盃の中で揺れる果汁を見つめる。
(色んなことがあったわね)
種を持って家を出た時は、こんな未来を迎えるなんて予想しても
いなかった。
たった数日の間の出来事だが、この数日で体験したことは
この先の自分にとってとても大切な糧となるだろう。
みのりは頭をあげ、みんなの顔をゆっくりと見回した。
「皆さんのおかげでここまでくることができました。
本当にありがとうございます」
みのりがみんなへ向かって会釈すると、涼介が身体をこちらへ
向ける。
「お礼を言うのはこっちのほうだよ。みのりさん、本当にありがとう」
「もったいないお言葉です。
わたくしこそ、みのり様に助けていただきました」
「私もです」
恐縮する山波のあとに小越が続く。
みのりは小越へ視線をやった。
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