Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
BID
「のみ、それにそなたらに会えて楽しかったマロ。
また会いたくなったら、黄金梅を育てればいいマロ」
雪姫が微笑む。
(そんな!)
こんなに急な別れになるのか。
数日とはいえ一緒に過ごしてきたのに。
涼介は我慢がならず口火を切った。
「それは……! こんな事態がまた起こるなんてことないほうがいいわけで!
だとしたら、もうお会いできないじゃないですか!」
すると、野木崎も深く頷く。
「雪姫様には会いたいけど、あれ、もう1回やるのは勘弁だわ」
肩を竦める野木崎の言葉を受け、太一が手を打った。
「わかった! 今度は雪姫様が消えないように黄金梅に願うよ。
そうしたら雪姫様とずっと一緒にいられるんでしょう、おじちゃん」
太一が隣にいる山波を必死の形相で見つめる。
だが、山波は難しい顔をして首を横に振った。
「いいや。それは駄目だ。雪姫様は眠っていたいんだよ。できればずっとな」
優しい口調ではあるが断固とした声音に、小越が声を震わせる。
「そんな……そんなことって……」
「えぇー。そうなの、雪姫様」
太一が今にも消え行きそうな雪姫に問いかけると、
雪姫がふわりと微笑んだ。
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