Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
七
CI
「美都子様、ありがとう。
そうだよね。見えなくなっても雪姫様はいるんだもんね」
太一の顔に笑みが戻った。
みのりがつられて微笑んでいると、美都子が太一の肩へ手を置く。
「ええ、そうですよ」
「美都子様。さすがは雪姫様がお認めになった当主様ですね。
私も鼻が高いです」
雪姫以外を褒めることはない、と思っていた梅田のみが美都子を
絶賛した。
これには美都子も驚いたようで、まばたきを繰り返している。
いつも冷静に対処する美都子の珍しい反応に、梅田のみは得意げに
口角をあげた。そして視線をこちらへ向ける。
「皆様、私はこれで失礼いたします」
「え、あ、はい。のみさんも最後まで色々とありがとうございました」
みのりは急に切り上げる梅田のみに戸惑いながらも頭を下げた。
そのあとを涼介が続く。
「本当にお世話になりました。ありがとうございます。
どうかお元気で」
涼介が頭をあげる頃にはすでに、梅田のみはこちらへ背を向け
歩き出していた。みのりは、彼女の切り替えの早さに、唖然とした。
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