Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「私、獣人さんたちと人間との間の溝が

こんなに深いものだとはまったく知らなかったんです」


　素直に自分の無知を曝すが、律子は責めることもせず無言で話を促してくる。

　麻里は頷き、言葉を続けた。


「正直、今でも私なんかが満さんを想っていていいのか自信がありません。

だからこそ、少しでも想いを成就させた方のお話を聞かせていただきたいんです」


　また、だんだん気持ちが高ぶってきた。


（そうよ。告白が上手くいくなんておこがましいことは思えない。

でも、気づいたばかりのこの想いに蓋をしてしまうことはしたくない！）


　麻里は三度ソファから立ち上がり、律子の手を取る。


「律子さんからでも、本当に少しだけでも構わないので、

その、つまり、どうやってお付き合いできるようになったのか、とか

教えていただけませんか？　お願いします！」


　ずいっと顔を寄せると、律子が身を押しのけてきた。


「わ、わかったわよ。わかったから、少し離れて！」


　不平を漏らす律子に麻里は我に返る。


「……すみません……」


　恐縮して身を縮こませると、律子が肩へ手を置いてきた。