Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「麻里さん、

あなた話に夢中になると人に近づく癖直した方がいいと思うわ」


　律子のありがたい忠告に麻里は首肯する。


「はい……」


　席へ戻って一息吐いたが、それでも引き下がるわけにはいかなかった。

　気を取り直し、さらに思いのたけを語る。


「でも、私、たとえ満さんに嫌われても、

それでも獣人と人間とが仲良くなれる方法を探すって決めてるんです。

敵ではなく、友達にくらいはなれるはずだって。だから」


　懇願するように律子を見つめると、律子が大きく首を縦に振ってきた。

「そうね。うん。私も応援するって言ったばかりだものね。

とりあえず、お義姉さんに電話をしてみるわ」


　律子がスマートフォンを取り出し微笑む。


「でもお義姉さんの意思を尊重したいの。

だからお義姉さんの都合がつかないときはごめんなさいね」


　言いながら、律子がスマートフォンを耳にあてる。

　やっぱりこの人はわかってくれる。

　麻里は同世代とも違う良識家の友人を見つめながら、

彼女と逢わせてくれた黄金梅に感謝した。