Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
F
「この世に存在するはずのない……。
あの、碧さん。実は俺、みのりさんからあることを聞かされたんです。
これだけは誰にも言わずにいるべきだと思うんですけど。
……その……早い話が。
どうも彼女、高松さんがみのりさんのお父上、
忠臣さんの息子さんではないか、と勘違いしてるようなんです。
俺はありえないって思ってはいるんですが」
手の内をすべて明かして返答を待つ。
碧が厳しい瞳をしたまま、真っ直ぐに見つめてきた。
重い沈黙が流れる。
やはり秘密を明かしてはいけなかったのだろうか。
それとも、真実だと信じてもらえていないのだろうか。
(これでも信用してもらえないってなると、次の手はないぞ)
覚悟して碧を見返す。
すると、それまでずっと眉間に皺を寄せていた碧の表情が一気に緩んだ。
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