Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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　和んだ空気の中、一人だけ状況についていけていないのだろう。

満が腰を屈めながら、辺りを見渡し確認してくる。


「嘘！　つまりお巡りはいねーってことか？」

「そういうこと、だと思います」


　胸に手をあてホッとした様子で麻里が頷く。


「ええ。いませんよ」


　直実が、ふんわりとした髪を揺らしニコリと微笑んだ。


（さすがお義姉さんだわ）


　律子は直実の機転のおかげで助かったことに心の底から感謝した。

大らかな見た目とは違い、とても頼りがいのある人だ。

きっと義兄もこのギャップに惚れ込んだのだろう。


（可愛い上に賢さを備えてる女性って最強よね）


　律子は、一人納得しながら義姉へ尊敬の眼差しを送る。

麻里たちも同じ気持ちに違いない。律子は自信を持って彼らへ視線を

向ける。だが、こちらの予想に反し、満が盛大な舌打ちをしてきた。


「ちっ！　これだから人間っつーのは信用ならねーんだ！」


　吐き捨てるように言い放つ満に、麻里がギョッと目を見開く。

そして、彼女は手を大きく上下に振りながら、彼の元へ駆け寄った。