Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


�I�I�I�I�D

「な！　なんでそうなるんですか！」


　麻里が目を吊りあげ、満に詰め寄る。

だが、彼はそんな彼女に怯むことなく反論してきた。


「だってそうじゃねーか！　人間はすぐに嘘をつきやがる！」

「だってって……！　助けてくれたんじゃないですか！」


　満に見下ろされて怖気づいてしまったのかもしれない。

弱腰になる麻里を助けるべく、律子は彼女へ近づいた。


「そうよ！　お義姉さんが来てくれたから助かったんじゃない！」

「助けなんかなくたって俺がなんとかしてたさ！」


　満がフンッと鼻を鳴らし、明後日の方を向く。

律子は眉間に皺を寄せた。


（お義姉さんがくるまで何もできなかったくせに……）


　部下と麻里の間で、身動きが取れなくなっていたことを忘れたの

だろうか。しかし、律子がさらに追及しようとする前に麻里が前へ

出た。


「なんとかってどうするんですか！　また暴力ですか！」

「ああ、そうだ。口で言ってもわからねー奴には体で覚えさせる

しかねーだろう！」


　満が拳を見せつけるように持ち上げる。それはまるで強者が

いなくなったあとで見栄を張る弱者のようで、律子は呆れて

ものが言えなくなった。