Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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　麻里はひねた態度を取る満の姿が悲しくて叫んだ。


「どうしてそんな風に怒ってばっかりなんですか？

本当は優しいくせに！」


　仁王立ちして反論するも、満には届かない。


「フン」


　鼻を鳴らしそっぽを向いてしまう満が口惜しくて唇を噛み締める。

自分の想いがこの人に通じるとは思えない。

滲んできた目尻から涙がこぼれ落ちてしまわぬよう苦慮していると、

場違いなほどのんびりとした声がした。


「ふふふ、どういたしまして。それにしても長さんは噂通りの人なのね。

あなたも大変ね、麻里さん」


　いきなり話を向けられて、麻里は目を点にする。

見つめてくる視線は優しく、それでいてなんでもお見通しといった風情だ。


「え？　あ、は、はあ……」


　自分の心を見透かされた気がして、麻里は頬を熱くする。


「ふふふ」


愉快げに笑う律子の義姉を前に、

麻里はどういう態度を取るべきなのかわからず困惑した。