Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
I
「ごめんなさい!」
「え?!」
みのりは、涼介の驚く声をそのままに話を続ける。
「ずっと早く言わなきゃって思ってはいたの。
でもなかなか言い出せなくって」
「つまり、つまり……、そういう意味?」
頭を下げたまま言い切ったあと、涼介の消沈した声が聞こえ、
みのりは顔をあげる。
悲しげに眉を寄せる涼介の表情に、言う順番を間違えたことに気づく。
(バカバカ、これじゃ涼介が勘違いしちゃうじゃない!)
いくら緊張していたとはいえ、これはマズイ。
みのりは急いで胸の内を告げるため紅を見た。
「紅が涼介のこと好きだって知ってたんだけど、
私も涼介のことが好きなの」
本当はもっとかっこよく決めたかった。だがこれが自分の
正直な気持ちだ。みのりは紅の反応を窺った。
(やっぱり怒ったのかしら?)
最初は首をひねっていたのだが、今は眉間に皺を寄せたまま
動かない。
みのりがさらに言葉を重ねようとする前に涼介の掠れた声が
聞こえてきた。
「は……? え……?」
みのりは涼介の声を聞き流し、紅へ語りかけた。
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