Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IE




(なんで今その笑顔?)


 くるくる変わる表情に戸惑っていると、みのりの顔がまた変化する。


「あ、涼介は他のが良かった?」


 上目遣いで尋ねてくるみのりに、慌てて首を左右に振った。


「俺もバニラアイスが食べたかったから大丈夫だよ」


 本当に食べたかったのはバニラアイスなのだ。

わかって欲しくて微笑んでいると、割って入るように店員がやってきた。


「お待たせしました〜。バニラアイスになります」


 バニラアイスを目の前に置いていく。


「ありがとうございます」


 みのりが丁寧に礼を言うが、店員は特に何も言わず踵を返した。

お昼時は忙しいのだろう。

みのりががっかりしていないといいが。

思ってちらりと視線を前に移すが、

みのりが見ているのは目の前のバニラアイスのみだった。


(気にしすぎか)


 内心で苦笑してスプーンを手に取る。


「さ、食べよう」

「ええ」


 促してアイスをみのりのほうへより近づけると、

みのりが嬉しげにスプーンでアイスをすくった。










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