Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





II@




(こ、こういうときって、何を話していたっけ?)


 みのりはグルグルと頭の中で話題を探した。だが見つからない。

焦りばかりが募る。


「いい風ね」


 知恵を振り絞って出てきた言葉は、盛り上がりにかけるもの

だった。みのりは再びを次の話題を見つけようと、考え始める。

すると、おもむろに涼介が近づいてきた。


「みのりさん、髪が……」

「え?」


 涼介が鬘から零れ落ちた水色の髪を一房手に取った。


「そういえば、目もコンタクトだけど、髪もカツラだったよね」


 言いながら涼介が手に持ったままの水色の髪の毛を指で優しく

なでる。


(髪の毛が出ちゃうなんて恥ずかしい)


 みのりは、やんわりと涼介の手から髪の毛を抜き取った。


「小さい頃は違ったんだけどね。

いつもしない髪型しちゃったから見えちゃったのね……」


 みのりは言い訳がましくつぶやきながら、鬘の中に髪の毛を

押し込んだ。その間中、涼介はずっと水色の髪の毛から目線を

逸らさない。

みのりは居たたまれなくなり、彼の視線から逃れるように背中を

向けた。










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