Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
II@
(こ、こういうときって、何を話していたっけ?)
みのりはグルグルと頭の中で話題を探した。だが見つからない。
焦りばかりが募る。
「いい風ね」
知恵を振り絞って出てきた言葉は、盛り上がりにかけるもの
だった。みのりは再びを次の話題を見つけようと、考え始める。
すると、おもむろに涼介が近づいてきた。
「みのりさん、髪が……」
「え?」
涼介が鬘から零れ落ちた水色の髪を一房手に取った。
「そういえば、目もコンタクトだけど、髪もカツラだったよね」
言いながら涼介が手に持ったままの水色の髪の毛を指で優しく
なでる。
(髪の毛が出ちゃうなんて恥ずかしい)
みのりは、やんわりと涼介の手から髪の毛を抜き取った。
「小さい頃は違ったんだけどね。
いつもしない髪型しちゃったから見えちゃったのね……」
みのりは言い訳がましくつぶやきながら、鬘の中に髪の毛を
押し込んだ。その間中、涼介はずっと水色の髪の毛から目線を
逸らさない。
みのりは居たたまれなくなり、彼の視線から逃れるように背中を
向けた。
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