Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
IB
「え? 嫌い?」
ゆっくりと首をかしげるみのりはまだ事態を
理解できていないようだ。
紅がみのりの問いに小さく頷く。
涼介は顎に手をあてた。
「うーん。俺としては仲良くやっていきたいんだけどなあ……」
「また私、勘違いしてた?」
ゆるゆると見あげてきたみのりへ、涼介は会心の笑みで答える。
「あはは、うん」
首を縦に振った途端、みのりの瞳が輝いた。
「そっか。紅は涼介のこと、好きじゃなかったんだ……
やだもう、ふふふ」
両の頬を両手で包み込み、嬉しげに笑う。
勘違いだとわかってくれたのは嬉しいが、なんだか複雑な気分だ。
涼介は口を尖らせた。_
「のんきに笑ってる場合じゃないぜ。
俺にとってはライバルが増えたってことなんだからさ」
腕を組んで肩を竦めて見せると、みのりが顔をあげる。
「ライバル? 何のこと?
他にも涼介のことを想ってる人がいるってこと?」
なんでそうなるんだか。
一々話を飛躍させる愛しのお姫様の頬を、つんと突いてやった。
「俺にとっては、って言ったろう?
紅さんは君が好きなんだから、俺のライバルじゃないか」
柔らかい頬の感触を楽しんでいると、
みのりがその手をやんわりと払いのけてきた。
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