Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
ID
「必ず認めてもらうよ」
ぎっと睨んでくる紅に、わざと不敵な笑みで答えてやった。
「え? あ、そうね。涼介、あの、今夜電話してもいい?」
みのりが紅に手を引かれながら振り返ってくる。
「もちろん! 寝ないで待ってるよ!」
大きく頷いて答えると、
紅がぐいぐいとみのりの手を引っ張り始める。
「お嬢さま、早く。時間、ない!」
こちらから完全に引き離しにかかるが、みのりがその手を制した。
「あ、紅。もう、そんなに引っ張らなくたって行くからまってよ。
涼介、夜にでも電話するわね」
ぐいぐいと腕を引かれながら笑顔で手を振ってくるみのりへ
涼介も応じる。
「ああ、じゃあ、またあとで!」
あんな可愛い子が今日からは自分の彼女なのか。
「人生捨てたもんじゃないかもな」
涼介はまだ手に残る温もりを感じ、しみじみと呟いた。
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