Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





B




「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか、お嬢様。

僕も紅とデートしたいものですね」


 みのりは、碧の冷やかしから逃れるため足早に階段を下りた。

すると紅がじっとこちらを見てくる。


「お嬢さま」

「僕の言葉は無視かい、紅ー。うぅーそんな君も好きだー」

「やっぱり似合わない?」


 碧が階段のへりに倒れ込みながら叫んでいる。

みのりはそんな彼の声を聞き流しながら、服装を確認した。


「違う。服、問題、ない」

「じゃあ、髪型? それともバッグ?」


 地毛を隠すための鬘がずれているのかもしれない。

いつものように垂らした鬘にすれば良かった。

みのりは首を振る紅へ、お団子にした頭と、カゴバッグを見せる。

だが、それも違うらしい。

真面目な顔つきて見つめられ、頭に疑問符を浮かべた。


「梅畑、三男、まだ、好き?」

「へ?」


 数秒見つめ合ったあと発せられた紅の問いに、みのりは声を

上擦らせた。

まばたきを何度も繰り返していると、紅がずいっと顔を近づけてくる。


「好き?」

「え、えぇ。もちろん、す、好きよ」


 みのりは紅の圧に仰け反りながらも答えた。










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