Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
二
B
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか、お嬢様。
僕も紅とデートしたいものですね」
みのりは、碧の冷やかしから逃れるため足早に階段を下りた。
すると紅がじっとこちらを見てくる。
「お嬢さま」
「僕の言葉は無視かい、紅ー。うぅーそんな君も好きだー」
「やっぱり似合わない?」
碧が階段のへりに倒れ込みながら叫んでいる。
みのりはそんな彼の声を聞き流しながら、服装を確認した。
「違う。服、問題、ない」
「じゃあ、髪型? それともバッグ?」
地毛を隠すための鬘がずれているのかもしれない。
いつものように垂らした鬘にすれば良かった。
みのりは首を振る紅へ、お団子にした頭と、カゴバッグを見せる。
だが、それも違うらしい。
真面目な顔つきて見つめられ、頭に疑問符を浮かべた。
「梅畑、三男、まだ、好き?」
「へ?」
数秒見つめ合ったあと発せられた紅の問いに、みのりは声を
上擦らせた。
まばたきを何度も繰り返していると、紅がずいっと顔を近づけてくる。
「好き?」
「え、えぇ。もちろん、す、好きよ」
みのりは紅の圧に仰け反りながらも答えた。
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