Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
二
E
以前からも仲は良かったが、こんなにあからさまだっただろうか。
みのりは、2人の世界に入り込んでしまった美都子と忠臣を
眺めながら首をひねった。
(仲良くていいなー。私も涼介とあんな風になれるかしら?)
涼介と向き合い、手を重ねる自分の姿を思い描き、頬が熱くなる。
少し破廉恥だったかもしれない。
顔を左右に降っていると、誰かが近づいてくる気配がした。
「お母様、そちらにおいででしたか」
兄の忠信も休日なのだろう。
いつもスーツ姿ではなく、白黒のラインが袖と襟に入っている
ポロシャツとベージュのチノパンツといったラフな格好で
近づいてきた。
「ちょっと黄梅学園への獣人たちの入学を認める件でお話が……
あれ、みのり出かけるの?」
黄金梅の効果を一番感じるのは兄との仲かもしれない。
何せ、兄妹とはいっても今までほとんど交流がなかった。
それが急に兄の方から話しかけられるようになったのだ。
「はい。お兄様」
みのりがぎこちなく応えると、忠臣と話していた美都子が間に
入ってきた。
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