Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





E




 以前からも仲は良かったが、こんなにあからさまだっただろうか。

みのりは、2人の世界に入り込んでしまった美都子と忠臣を

眺めながら首をひねった。


(仲良くていいなー。私も涼介とあんな風になれるかしら?)


 涼介と向き合い、手を重ねる自分の姿を思い描き、頬が熱くなる。

少し破廉恥だったかもしれない。

顔を左右に降っていると、誰かが近づいてくる気配がした。


「お母様、そちらにおいででしたか」


 兄の忠信も休日なのだろう。

いつもスーツ姿ではなく、白黒のラインが袖と襟に入っている

ポロシャツとベージュのチノパンツといったラフな格好で

近づいてきた。


「ちょっと黄梅学園への獣人たちの入学を認める件でお話が……

あれ、みのり出かけるの?」


 黄金梅の効果を一番感じるのは兄との仲かもしれない。

何せ、兄妹とはいっても今までほとんど交流がなかった。

それが急に兄の方から話しかけられるようになったのだ。


「はい。お兄様」


 みのりがぎこちなく応えると、忠臣と話していた美都子が間に

入ってきた。










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