Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
二
F
「今日は梅畑君とデートだそうよ」
「へぇ、そうなんだ。
ここの所、雨ばっかりだったから晴れて良かったね」
ニコニコと微笑みながら話を進める忠信と美都子に、
みのりは慌てる。
「いえ、あの、デートというわけでは……
黄金梅の件でお世話になった方々に改めてお礼の気持ちを
お伝えしようと」
「だが梅畑君と2人で行くのだろう?」
「え? あ、はい。まあ」
みのりは、遮る形で割り込んできた父からの問いに驚きながも、
頷いた。その返答に父の口角がニヤリとあがる。
「年頃の男女が2人きりで出かけるのだから
デートと言ってよいだろう。そうですよね、美都子さん」
「そうね」
はしゃぐ忠臣に美都子が苦笑しながらも同意した。
おもむろに父がポンと手を叩く。
「そうだ、美都子さん。
せっかくですから僕たちもデートへ行きましょう」
父からの突然の提案に母は目を丸くしたまま忠臣を凝視した。
しかし、父はそんな母に気づくことなく話を続ける。
「うん、うん。それがいい! 忠信、僕が宝物庫へ行っている間に
美都子さんとの話を終わらせておくんだよ」
いいね、と忠臣が兄に詰め寄った。
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