Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





F




「今日は梅畑君とデートだそうよ」

「へぇ、そうなんだ。

ここの所、雨ばっかりだったから晴れて良かったね」


 ニコニコと微笑みながら話を進める忠信と美都子に、

みのりは慌てる。


「いえ、あの、デートというわけでは……

黄金梅の件でお世話になった方々に改めてお礼の気持ちを

お伝えしようと」

「だが梅畑君と2人で行くのだろう?」

「え? あ、はい。まあ」


 みのりは、遮る形で割り込んできた父からの問いに驚きながも、

頷いた。その返答に父の口角がニヤリとあがる。


「年頃の男女が2人きりで出かけるのだから

デートと言ってよいだろう。そうですよね、美都子さん」

「そうね」


 はしゃぐ忠臣に美都子が苦笑しながらも同意した。

おもむろに父がポンと手を叩く。


「そうだ、美都子さん。

せっかくですから僕たちもデートへ行きましょう」


 父からの突然の提案に母は目を丸くしたまま忠臣を凝視した。

しかし、父はそんな母に気づくことなく話を続ける。


「うん、うん。それがいい! 忠信、僕が宝物庫へ行っている間に

美都子さんとの話を終わらせておくんだよ」


 いいね、と忠臣が兄に詰め寄った。










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