Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
二
I@
食堂へ向かうと、
長兄家族だけでなく次兄家族までテーブルに座していた。
「おはようございます……」
一体何が起こったのだろう。
少し面食らっていると、雅秋が新聞から顔をあげる。
「おはよう」
「おはよう、涼介君」
長兄の妻、美紀も柔らかな笑みを浮かべてきた。
「おはよう、涼介。早いな」
雅仲が手を挙げるのを待って、その妻、依子も手を振ってくる。
「おはよう」
なんと答えるべきか迷いその場で佇んでいると、
雅秋が目をしばたたかせた。
「なんだ、その顔は。私の顔に何かついているか?」
雅秋の言葉に涼介はゆるゆるとかぶりを振る。
「いえ、まさか全員食堂にいらっしゃるとは思わなかったもので」
そんな疑問に対し答えをくれたのは長兄ではなく、雅仲だった。
「朝はなるべく家族で摂ろうということになったんだよ」
「そうなんですか?」
我ながら素っ頓狂な声だとは自覚しつつ雅秋を見遣ると、
雅秋がむすっとして明後日のほうを向いた。
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