Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





B




「おい、梅畑!」


 声に驚き振り返ると、そこには笑顔の友人が立っていた。


「友永か。どうした?」


 今の時間ならいつも冴島教授のゼミ室で昼食を摂っているはずだ。

不思議に思って問いかけると、

友永はコンビニのビニール袋を片手に後ろ頭へ手を置いた。


「いや、別に用はないけど……、ってあれ? 何お前、彼女?

すっげー美人じゃん!」


 いきなりずかずかと近づいてこられ、涼介は仰け反る。


「か……のじょ、じゃあまだないけど……。

いや、とにかく後で説明するから、今は勘弁してくれ」


 手で友永の身体を押え込む。すると、友永がにやりと片頬をあげた。


「ふうん……」


 ひとしきりみのりと紅を検分すると、

したり顔でみのりに向かい手を差し伸べる。


「どうも、はじめまして。友永って言います。梅畑の親友やってます」


 ずうずうしい行いに、みのりが面食らった様子で目をしばたたかせた。


「こ、こんにちわ」


 友永の手は取らず、挨拶を返す。

前に立っている紅のほうは、無言のまま会釈した。


「で? どっちがお前の彼女だ?」


 愉快げに尋ねてくる友永に、紅がギロリと睨んでくる。


「だ、だから、そういうんじゃないって!

いや、そういうこともあるかもしれないけど、ええっと……」


 返答に困って視線を泳がせると、みのりが真っ赤な顔で語気を強めた。










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