Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





A




「ありがとう。その、涼介もよく似合ってるわ」


 涼介も自分と同じようにお洒落をしたのだろうか。

みのりは、爽やかな好青年といった涼介の格好に胸をときめかせた。


「ありがとう。そういえば、髪上げてるの見るのも初めてだ」


 腕をあげ触れてこようとする涼介の手が止まる。

少し走ったくらいでずれるような鬘ではないが、ずれてしまった

のだろうか。みのりは内心で焦りながら、そっと鬘に触れる。


(良かった。大丈夫だわ)

「お前、もう少し気の利いた言い方をしろよ。雑だなあ……」

「うるさいなあ。雅仲兄は黙ってろよ」

「ジメジメしているから思い切ってしてみたの。って、雅仲さん!

ご無沙汰しています」


 みのりは涼介の背後から現れた雅仲へ向かい、頭を下げた。


「ご無沙汰しております。この度は愚弟がお世話になりまして。

ボケッとした奴ですが、どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします。あの今日はどうして?」


 まさか涼介の次兄に遭遇するとは思ってもいなかった。

偶然なのだろうか。みのりが問いかけると、雅仲は小さく

肩を竦ませた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む