Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
E
「では、先輩にみのり様、僕はこのへんで。
これから連絡しなくちゃならない用事ができたので」
雅仲の言葉に涼介はほっとする。
これでもうからかわれる心配はなくなった。
胸を撫で下ろしていると、碧が珍しく邪気のない笑みを見せた。
「おや、そうですか。また機会がありましたらお会いしましょう」
「はい、ぜひ! では! 涼介、頑張るんだぞ」
無駄に親指を立ててくる雅仲に涼介はむっとする。
(頑張ろうとしてるんだから余計なこと言うなよ!)
地団駄踏みたい気持ちを必死で抑えていると、
碧がいつものようににっこりと微笑んだ。
雅仲が碧へもう一度一礼して、踵を返そうとする。
去ろうとするその背中へ向かってしっしっと手を振っていると、
みのりも雅仲へお辞儀した。
「あ、はい。兄のことよろしくお願いします」
みのりの言葉に雅仲が笑みを深くする。
「こちらこそ、ですよ。みのり様」
「はい」
みのりの返答を合図に雅仲が今度こそ踵を返す。
去って行く次兄の後ろ姿をなんとなくながめていると、
みのりが声をかけてきた。
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