Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





E




「では、先輩にみのり様、僕はこのへんで。

これから連絡しなくちゃならない用事ができたので」


 雅仲の言葉に涼介はほっとする。

これでもうからかわれる心配はなくなった。

胸を撫で下ろしていると、碧が珍しく邪気のない笑みを見せた。


「おや、そうですか。また機会がありましたらお会いしましょう」

「はい、ぜひ! では! 涼介、頑張るんだぞ」


 無駄に親指を立ててくる雅仲に涼介はむっとする。


(頑張ろうとしてるんだから余計なこと言うなよ!)


 地団駄踏みたい気持ちを必死で抑えていると、

碧がいつものようににっこりと微笑んだ。

雅仲が碧へもう一度一礼して、踵を返そうとする。

去ろうとするその背中へ向かってしっしっと手を振っていると、

みのりも雅仲へお辞儀した。


「あ、はい。兄のことよろしくお願いします」


 みのりの言葉に雅仲が笑みを深くする。


「こちらこそ、ですよ。みのり様」

「はい」


 みのりの返答を合図に雅仲が今度こそ踵を返す。

去って行く次兄の後ろ姿をなんとなくながめていると、

みのりが声をかけてきた。










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