Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





F




「ねえ、さっき行くって言ったけど、誰のところから行こうとしてるの?

それにまだお礼の贈り物を買ってないけどいいの?」


 みのりの疑問に涼介は駅前のスーパーを指さす。


「藤丘(とうきゅう)にいいのがあるんじゃないかなって

思うんだけど。どうかな?」

「藤丘? ああ、あそこね」

「そうそう」


 4階建ての建物を目視するみのりに、涼介は頷く。


「けど、本当にどなたからお礼に行ったらいいか……」


 順番から行くと、野木崎のところが近いだろうか。

だが、連絡を取れていない太一のことも気になる。

それに何より、一番迷惑をかけた獣人の三長老たちに

報告する義務があるような気もした。


「アタシ、出る」


 顎に手をあて考えていると、

紅が車から降りる意志を碧へと告げたところだった。


(あーやっぱりそう来るか)


 認めない、と言われただけに、邪魔をしにくるつもりに違いない。


(仲良くしたいんだけどなあ)


 お互いみのりが好きで大切な気持ちは同じなのだから、

なんとか解り合えるのではと思うのだが。

小さく吐息していると、碧が紅の発言を無視してみのりへ助言した。










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