Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
F
「ねえ、さっき行くって言ったけど、誰のところから行こうとしてるの?
それにまだお礼の贈り物を買ってないけどいいの?」
みのりの疑問に涼介は駅前のスーパーを指さす。
「藤丘(とうきゅう)にいいのがあるんじゃないかなって
思うんだけど。どうかな?」
「藤丘? ああ、あそこね」
「そうそう」
4階建ての建物を目視するみのりに、涼介は頷く。
「けど、本当にどなたからお礼に行ったらいいか……」
順番から行くと、野木崎のところが近いだろうか。
だが、連絡を取れていない太一のことも気になる。
それに何より、一番迷惑をかけた獣人の三長老たちに
報告する義務があるような気もした。
「アタシ、出る」
顎に手をあて考えていると、
紅が車から降りる意志を碧へと告げたところだった。
(あーやっぱりそう来るか)
認めない、と言われただけに、邪魔をしにくるつもりに違いない。
(仲良くしたいんだけどなあ)
お互いみのりが好きで大切な気持ちは同じなのだから、
なんとか解り合えるのではと思うのだが。
小さく吐息していると、碧が紅の発言を無視してみのりへ助言した。
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