Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
三
G
「藤丘ならお菓子でいいじゃないですか?
ここから近いことですし、僕たちは先に車を駐車場へ停めてきますね。
紅、行くよ」
碧が扉を開けることなく車を動かし始めた。
(あれ、もしかして、助けてくれてる?)
みのりと2人きりになれるよう配慮してくれているのだろう。
涼介は反射的に碧へ深々と一礼した。
「ありがとうございます」
助言をくれたことと2人きりになれるよう配慮してくれたこと。
2つの意味を込めて礼を告げると、碧が小さく手をあげてきた。
やはり了解済みということか。
これでやっとみのりと2人きりになれる。
さっきからあの白くて小さな手を握り締めたくてたまらなかったのだ。
(やった!)
チャンス到来。この機を逃す手はない。
1人喜びを噛み締めているのをよそに、紅の叫びが聞こえてきた。
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