Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





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「野臥間さんのところへ行くの? それなら、よろしく伝えてください」


 野木崎の言葉にみのりが頷く。


「わかりました」

「必ず」


 涼介も力を込めて返答すると、太一の母親が野木崎へ視線を向けた。


「それじゃ、りっちゃん行きましょうか?」

「そうね。それじゃ、みのり様、梅畑君、またね」


 軽く手を振り出口へと向かう野木崎と太一の母親へ、

涼介は笑顔で応じる。


「はい、また」

「はい。色々本当にありがとうございました」


 もう一度2人で礼を述べると、

野木崎と太一の母親は笑顔で手を振ってくれた。

涼介は2人が去っていくのをしばし見送る。

小さくなっていく後ろ姿を確認した後、

今一度みのりへと視線を落とした。


「さて、何を買う? 野伏間さんは何が好きかな?」


 問いかけると、みのりが頬に人差し指をあてる。


「そうねぇ。やっぱり洋菓子よりは和菓子の方がいいわよね」


 そうか、和菓子か。涼介はしばし考え込み、

それから提案した。


「じゃあ、どら焼きなんてどうかな?」

「いいわね。どら焼きだったら太一君たちも食べられるわよね」


 ぱっと花が咲いたような笑みを見せるみのりを前に鼓動が高鳴る。


「じゃあ、早速行こう!」

「ええ」


 ここでかわいいな、と言ったら

繋がれた手が離されてしまうかもしれない。

涼介はむずむずする衝動をぐっと堪え、みのりの手を引いた。










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