Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
@
藤丘でどら焼きを買ったあと、みのりたちは碧の運転で
獣人たちの居住区にある野伏間宅へ訪れた。
近所の子どもが遊んでいるのだろう。どこからともなく
聞こえてくる楽しげな笑い声を耳にしながらみのりは
野伏間(のぶすま)宅インターフォンを鳴らした。
ほどなくしてドタドタという足音とともに低い声が
ドア越しから聞こえてくる。
「はーい。誰だべ?」
「突然連絡をしないですみません。梅宮みのりです」
みのりは閉まったままのドアに向かい頭を下げた。
のんびりした野伏間の口調が慌てふためく。
「みのり様! ちょっと待ってくださいだんべ」
ガチャガチャと鳴る音に、涼介が肩を揺らした。
「なんか緊張するなあ……」
「近い」
紅が涼介を押しやると同時に玄関ドアが開いた。
みのりは再度お辞儀する。
「こんにちわ」
「おぉー。本当にみのり様だんべ」
顔に喜色を浮かべ微笑む野伏間につられるように、みのりも
顔を綻ばせた。紅が小さく会釈をすると、涼介が続く。
「こんにちは」
「突然、大勢で来てしまい申し訳ありません」
碧がみんなを代表するかのように頭を下げた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|