Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





A




 野臥間は一瞬目を見開いたかと思うと、すぐに頬を緩ませる。


「おー梅畑の坊ちゃんだべか? こんにちわ。

今、麗ちゃんと朔ちゃんもいるべぇ。さあ、へぇんべぇ」


 中へ促す野伏間に涼介が素直に従う。


「突然お邪魔してすみません。ありがとうございます」

「ありがとうございます。お邪魔します」


 みのりも涼介のあとに続いた。そして最後に紅と碧が家にあがる。


「「お邪魔します」」


 広い玄関口に全員があがりきるのを見届けるや、野臥間が

足音を立てて歩き出した。


「麗ちゃん、朔ちゃん! 特別なお客さんだべ」


 足音に負けないくらい大きな野伏間の声に、

鶯木麗(おおきうらら)がひょいと顔を出す。


「まあ、みのり様! このたびは本当にお疲れ様でした」

「ご無沙汰しております。皆様」


 部屋に通されると涼介が狼谷(かみや)朔太郎と鶯木へ

向かいお辞儀した。それを見て野臥間が座布団を差し出してくる。


「立ったままもなんだから座んべ、な」

「失礼します」


 みのりは素直に座布団を受け取り、開いている場所へ座った。










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