Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
A
野臥間は一瞬目を見開いたかと思うと、すぐに頬を緩ませる。
「おー梅畑の坊ちゃんだべか? こんにちわ。
今、麗ちゃんと朔ちゃんもいるべぇ。さあ、へぇんべぇ」
中へ促す野伏間に涼介が素直に従う。
「突然お邪魔してすみません。ありがとうございます」
「ありがとうございます。お邪魔します」
みのりも涼介のあとに続いた。そして最後に紅と碧が家にあがる。
「「お邪魔します」」
広い玄関口に全員があがりきるのを見届けるや、野臥間が
足音を立てて歩き出した。
「麗ちゃん、朔ちゃん! 特別なお客さんだべ」
足音に負けないくらい大きな野伏間の声に、
鶯木麗(おおきうらら)がひょいと顔を出す。
「まあ、みのり様! このたびは本当にお疲れ様でした」
「ご無沙汰しております。皆様」
部屋に通されると涼介が狼谷(かみや)朔太郎と鶯木へ
向かいお辞儀した。それを見て野臥間が座布団を差し出してくる。
「立ったままもなんだから座んべ、な」
「失礼します」
みのりは素直に座布団を受け取り、開いている場所へ座った。
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