Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
B
「ありがとうございます」
同じように涼介が隣へ座布団を置く。しかし彼が座る前に
紅が、涼介の敷いた座布団の上に飛び乗った。
「それはないんじゃないかなあ……」
うな垂れるようにつぶやく涼介の声など聞こえていないかの
ように紅はすました顔で正座している。
(もう紅ったら……)
さっき護衛できなかったことを気に病んでいるのかもしれない。
家の中に入ったのだから危険なことはないはずなのだが。
みのりが仕事熱心な側近に苦笑していると、狼谷がパンッと膝を
叩く。
「おう、梅畑の坊ちゃん!
坊ちゃんも、大活躍だったって聞いたべ」
「皆さん、その節は色々とお世話になりました」
狼谷の隣に座った涼介が居ずまいを正した。狼谷が首を横に振る。
後ろで1つ括られている灰褐色の髪の毛が小さく揺れた。
「わしらはなんもしてないべ」
「んだべ。すべてはみのり様たちがなしたことだんべ」
野臥間が人数分のお茶をテーブルへ置きながら狼谷へ同意する。
「いえ。この間はいきなり乗り込んでしまったので」
涼介が申しわけなさそうに眉を下げた。
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