Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





B




「ありがとうございます」


 同じように涼介が隣へ座布団を置く。しかし彼が座る前に

紅が、涼介の敷いた座布団の上に飛び乗った。


「それはないんじゃないかなあ……」


 うな垂れるようにつぶやく涼介の声など聞こえていないかの

ように紅はすました顔で正座している。


(もう紅ったら……)


 さっき護衛できなかったことを気に病んでいるのかもしれない。

家の中に入ったのだから危険なことはないはずなのだが。

みのりが仕事熱心な側近に苦笑していると、狼谷がパンッと膝を

叩く。


「おう、梅畑の坊ちゃん!

坊ちゃんも、大活躍だったって聞いたべ」

「皆さん、その節は色々とお世話になりました」


 狼谷の隣に座った涼介が居ずまいを正した。狼谷が首を横に振る。

後ろで1つ括られている灰褐色の髪の毛が小さく揺れた。


「わしらはなんもしてないべ」

「んだべ。すべてはみのり様たちがなしたことだんべ」


 野臥間が人数分のお茶をテーブルへ置きながら狼谷へ同意する。


「いえ。この間はいきなり乗り込んでしまったので」


 涼介が申しわけなさそうに眉を下げた。










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