Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
D
「梅宮と梅田……。梅宮と梅田?!
……あーなるほど……涼介、お前やっぱりお坊ちゃんなんだなあ〜」
やたら感心しきった声で同意を求められ、涼介は眉根を寄せる。
「なんだよ、それ」
しきりに首を縦に振る友永は訳知り顔で背中を叩いてきた。
「いやいや、前途多難かもしれないけど、がんばれよ! 応援してるぜ!」
親指を立ててウィンクまでしてくる友永に、涼介は声を荒らげる。
「だから、違うっての!」
もう半分振られたもなのに、なぜわからなないのか。
半分八つ当たりで鼻息を荒くしていると、友永が声をあげて笑う。
「いやいや、こんな美人に庇われちゃってんだから。あははははは」
じゃあな、と再度手を挙げ、友永は反論する間もなく改めて踵を返した。
「友永さん。涼介のこと、これからもよろしくお願いします」
去っていく友永へ告げるみのりへ、
友永はまかせてくれと言わんばかりに親指を立ててきた。
「ったく、あの野郎!」
勝手解釈で安請け合いをする奴だ。
あとでコーヒーにこれでもかと砂糖をぶち込んでやる。
などと内心で憤慨していると、横でみのりが顔を見あげてきた。
「良い方ね、友永さんって」
しみじみとしたその言葉に、一瞬で毒気を抜かれる。
「うん、ちょっと軽いかもしれないけど、いいヤツなんだ」
素直な胸の内を告げると、
みのりが友永の去って行った方角を見つめながら呟いた。
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