Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





C




 鶯木がふふふとにこやかに笑う。


「邦ちゃんちならいいのよ。

私たちだっていつもふいに寄ったりしてるんですから」

「そうだんべ」


 首肯する狼谷に野伏間が便乗する。


「んだんだ。お坊ちゃんたちもいつでも遊びにくるといいべ」


 野伏間の言葉は社交辞令ではなく本心から言っているように

みのりは感じた。

 初めて会ったときから彼らは快く自分たちを受け入れてくれた。

彼らの助言があったからこそ黄金梅を実らせることができたと

言っても過言ではない。

三長老には感謝してもしきれないほどの恩がある。

それなのに彼らは何もしていないと言う。


(本当、三長老と言われるだけの方々だわ)


 みのりが感嘆のため息をつくと、涼介がいいえ、と

なおも食い下がる。


「あの時は初対面でしたから」

「坊ちゃんは律儀な男なんだべな」


 狼谷が感心した様子で涼介を見つめた。


「あらぁ、そういうのは大切よ。ねえ、みのり様」

「え、えぇ。そうだと思います」


 みのりは、突然鶯木に話しかけられ、驚きながらも首を

縦に振った。










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