Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
C
鶯木がふふふとにこやかに笑う。
「邦ちゃんちならいいのよ。
私たちだっていつもふいに寄ったりしてるんですから」
「そうだんべ」
首肯する狼谷に野伏間が便乗する。
「んだんだ。お坊ちゃんたちもいつでも遊びにくるといいべ」
野伏間の言葉は社交辞令ではなく本心から言っているように
みのりは感じた。
初めて会ったときから彼らは快く自分たちを受け入れてくれた。
彼らの助言があったからこそ黄金梅を実らせることができたと
言っても過言ではない。
三長老には感謝してもしきれないほどの恩がある。
それなのに彼らは何もしていないと言う。
(本当、三長老と言われるだけの方々だわ)
みのりが感嘆のため息をつくと、涼介がいいえ、と
なおも食い下がる。
「あの時は初対面でしたから」
「坊ちゃんは律儀な男なんだべな」
狼谷が感心した様子で涼介を見つめた。
「あらぁ、そういうのは大切よ。ねえ、みのり様」
「え、えぇ。そうだと思います」
みのりは、突然鶯木に話しかけられ、驚きながらも首を
縦に振った。
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